ジョゼフ・コーネルの箱　「失われた宇宙の法則」への郷愁

Untitled (Medici Prince)

Untitled (Penny Arcade Portrait of Lauren Bacall)
ローレン・バコールの神秘的なアーケードゲーム型ポートレイト。ペニーアーケードとは古きよき時代のゲームセンターのこと（東京ディズニーランドにありますね）。
「可動」できたらつまらない、あくまでも観念的な「からくり」。
「こういう仕組み」のものです。

Object (Abeilles)

Defense d'Afficher Object
マグリットの感想が聞きたい。

Untitled (Paul and Virginia)

Tilly Losch
かるいお姫さま (岩波少年文庫 (133))＝『ふんわり王女』

WebMuseum: Cornell, Joseph
Joseph Cornell Interactive by Peabody Essex Museum
Joseph Cornell on artnet

Images for Cornell, Joseph

Duchamp, ca. 1942–53 コーネルによるデュシャン。
「本当ですか？」交流があったとは聞いていたけど…。

これの制作を手伝ったというウワサも…（たしかに信頼できる作り手です）

Making Sense of Marcel Duchamp
「大ガラス」の絵解きアニメが秀逸。サイト自体が濃厚に箱のイメージをもっているので、所有欲をかきたてられます。このサイトにつながるだけの機能しか持たないiPadが欲しいです。たとえば好きな作品を封じ込めたラジカセ（メディアの挿入口を塞いでしまう）みたいに。

コーネルの「箱」を言葉にしてみる。

ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎「箱宇宙を讃えて」
川村記念美術館　2010年4月10日（土）−7月19日（月・祝）

2010 年展覧会カタログジョゼフ・コーネル×高橋睦郎箱宇宙を讃えて 2300円

コーネルの箱

作者: チャールズシミック,柴田元幸
出版社/メーカー: 文藝春秋
発売日: 2003/12/05
メディア: 単行本
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「用意はいいかい？　メアリー・ベイカー・エディ」

ジョージ・マクドナルドの『金の鍵』にでてくるあるシーンがコーネル作品の「可動部分（ボール、キューブ、輪など）を思い起こさせること

「次の瞬間、タングルは、洞窟の隅っこの苔の上に、小さな裸の子どもがすわっているのに気がつきました。子どもは、いろんな色の大きさのボールをたくさん持っていてそれを（床の上に★）不思議な図形に並べて遊んでいました。それを見たタングルは、たしかに知ってはいるのだけれども理解することのできない何かが、そこにあるのを感じました。なぜなら、子どもがボールを並べ変えて作っている様々な図形や、図形から図形への移り変わり、そして、それにつれて生じるさまざまな色の配合には、限りない意味があるはずだと知っているのに、それはどんな意味かと問われても答えようがなかったからです。☆」
（☆原注　これらの幾何学的図形については、ノヴァーリスから多くを学んだことを記しておきたい。）
『金の鍵　岩波少年文庫　脇明子訳』

★　『マクドナルド童話全集 4　太平出版社　原富美枝訳』には、空間にボールを（原子や分子のように）配置して遊んでいる子どもの挿絵が載っていて、文章でも「床の上」とはされていないので、原文にあたってみたいです。ボールを組み合わせるのだから立体的なものなのではないでしょうか。それに、そのほうがずっと神秘的で「七年間も飽きずに見つづけて」いられるイメージにふさわしいと思われるのです。

「子どもはせっせとボールを動かし、並べ変えつづけました。見ていると、意味が花火のようにひらめき出て、伝わってくることもありましたが、次の瞬間にはすべてがおぼろになり、闇にとざされたようになってしまうのでした。タングルはずいぶんと長いあいだ、じっとそれを見ていました。それは、それほどにも心を魅する光景だったのでした。見れば見るほど、何とも表現しがたいおぼろな知識が、心の中に立ち現れるような気がしてきます。タングルはそうやって七年のあいだ、その裸の子どもが色とりどりのボールで遊ぶのを見つめつづけていましたが、自分では七時間くらいにしか感じませんでした。そのうち突然、ボールが描いたある図形が、なぜかはわからないものの、影の谷間のことを思い出させ、タングルはふっと口を開きました。
「火の老人はどこにいらっしゃるのかしら？
「ここだよ」と、子どもは答え、ボールを苔の上に置いて立ち上がりました。「何か用？」
」