「束見本」を日記帳にする。

束見本とは「本の出版に先立ち、刊行するものと同じ用紙やページ数で製本して、装丁のぐあいを確かめたり、宣伝に用いたりする見本。」デジタル大辞泉小学館)より。

それを利用してノートや日記にする。編集者の知人がいる人間だけができる贅沢。
「あるところにはたくさんある」
大信印刷株式会社|Sales directorの日記|束見本(つかみほん)

「百科事典の束見本を持っている」という誰だったかのはなしを聞いてモノスゴくうらやましかったおぼえがあります。いまでもうらやましい。

目が見えないのに百科事典を買って、その存在に至福をおぼえると言っていたボルヘスは「白紙の百科事典」のことをどう思うだろう。


「どうも思わない。」


「束見本」じゃないただの文庫本をメモに使っていた糸井重里

糸井 「ほぼ日手帳」の原点は、ぼくが昔、文庫本にメモしてたことから始まってるんです。編集者なんかには束見本(つかみほん:単行本を作る過程で作られる「束=本の厚み」を知るための見本で、中身は白紙)をメモ帳にしてる人がいっぱいいて、それがカッコよくて。でも僕は、もっと生意気だった頃にはニーチェの文庫本を手帳代わりにしてたんですよ。「この人を見よ」なんて書いてあるとこに、マジックで適当にしょうもないことを書くことが“ロック”だったんです。で、「何も書いてないメモ帳より、文庫本のほうが安いんだよ」って言うと「ほー」とか感心されて、ちょっとカッコいいんです(笑)。
「ほぼ日手帳」 人気の秘密教えます 糸井重里インタビュー


ヤフオクになにか出品されていないかと、いま見てみたら16メートルの巻物の「束見本」を発見。

雪舟畢竟の代表作「真山水図」の〜俗に「山水長巻」と呼称〜昭和40年代に発刊された工芸版印刷になる「復刻版」の販売促進用「束見本」です。」

開始価格2000円のままで、終了まであと2日。うーん。

男性の秘密の日記には最適かと思われます。
もしも、万が一見つかってしまっても、その時には、巻物がダーーーッ!と広げられていってしまう豪華絢爛な風景を眺めることができるのです。オススメです。



第2回「束見本フリーノートチャリティ」日本橋三越 本館1階中央ホール 6月2日(水)〜6月8日 (火)